日本国内で常識とされる生体リズムは「7時間睡眠」用の生体リズムです。
理想とされるのは8時間睡眠で「人生の3分の1は睡眠」みたいこともよく耳にします。
私をはじめ、ショートスリーパーと呼ばれる人たちは、この生体リズムを無視しているわけです。
そんなことをして大丈夫なのでしょうか・・?
まず理解しておいてほしいのが「常識はあくまでも多数意見であり、正しい答えではない」ということです。
常識に則って生活している限り、大きな成功を収めることはできませんし、短熟睡を身に付けたショートスリーパーになることもできません。
今回は、生体リズムとはなんぞや、からはじまり、それを意識しなくていい理由を説明していきます。
生体リズムを短熟睡モードにカスタマイズするヒントになるのでぜひ理解しておいてください!
目次
生体リズムとはなんぞや
そもそも生体リズムとはなんでしょうか。
色々な定義はありますが簡単に言えばこの3つです。
①体調を整えるもの
②活動レベルを切り替えるもの
③眠たくなるタイミングを決めるもの
この中でも、短熟睡で意識するのは「③眠たくなるタイミング」だけでOKです。
①と②については短熟睡の生活をする上で影響は少ないので気にしなくて大丈夫です。
生体リズム、いわば本能レベルの眠気を如何にコントロールするか、それが肝となります!
概日リズム
「生体リズム」という言葉を学術的に表現すると「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼びます。
一日は24時間周期ですが、人間の持つリズムは25時間周期でサイクルしています。
このままだと1時間のズレが発生しますが、それを毎日修正しながらリズムを刻んでいるのです。
そのリズムの調整に必要なのがセロトニンとメラトニンというコンビのホルモンです。
セロトニンは昼のホルモン
セロトニンは日中分泌され、夜間は抑制されることから「昼のホルモン」とも呼ばれています。
日中の活動を左右するホルモンです。
メラトニンは夜のホルモン
メラトニンは逆に日中は抑制され、夜間、正確には起床15時間後に分泌が始まることから
「夜のホルモン」とも呼ばれています。
メラトニンには催眠効果があるので、普通の会社員みたいな昼間に仕事を生活するリズムだと、夜中に眠たくなります。
この二つのホルモンが正しく分泌されることで「概日リズム」、つまり生体時計が機能するのです。
Sプロセス
「概日リズム」ともう一つ、「Sプロセス」というリズムも存在します。
これは概日リズムとは違って、時間帯に関係な、起きている時間によって刻まれるリズムです。
アデノシンという睡眠物質は、覚醒中の活動によって蓄積されるのですが、このアデノシンが蓄積される状態のことを「Sプロセス」と呼んでいます。
「概日リズム」が時間帯に左右される針時計のようなもの
「Sプロセス」が起床時間に左右される砂時計のようなもの
このように覚えてください。
短熟睡では「常識のリズム」は気にしなくていい
結論を先に伝えると、「概日リズム」と「Sプロセス」の二つは、短熟睡においては意識したり、過度に心配したりする必要はありません。
「起きてから15時間後に眠くなる」と言われても、その時に友達とパーティをしていれば眠くないし、その時間でなくても退屈なら眠くなります。
リズムを気にして、それに生活を合わせるのは睡眠弱者のすることです。
よく、「不規則な生活が生体リズムを崩し、体調不良を招く」ということを耳にするかと思います。
確かに「今日は7時間睡眠、明日は2時間睡眠、明後日は12時間睡眠」というような不規則な生活を繰り返せば、体調不良を招く可能性は高まります。
しかし、「睡眠時間が短い」という生体リズムは一般的に言われるような「不規則な生活」には当てはまりません。
「毎日2時間睡眠」ならば、それは規則正しい生活であり、その人特有の生体リズムになるからです。
「ホメオスタシス」という体の機能
「その人特有の生体リズム」を作るために重要な機能があります。
それは「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」というものです。
これは「生命を維持するために、今の状態をキープする」というものです。
暑くなったら汗をかいて熱を発散させるのもホメオスタシスの一つです。
睡眠で言うと、いままで「7時間睡眠」をしていた人がいきなり「2時間睡眠」にすると体に不調が生まれます。
でも「2時間睡眠」を当たり前にしてしまえば、ホメオスタシスのおかげで「2時間睡眠」でも健康的に生活することができます。
2時間で睡眠物質を除去できるようになりますし、成長ホルモンも分泌させたり、なんやり。
少しずつ短時間睡眠に慣らしていけば、世の中の常識である「人生の3分の1は睡眠に」なんていうリズムを意識しなくていいというわけです。
意識すること・しなくていいこと
ここからは「何を気にすればいいのか」「何を気にしなくていいのか」をそれぞれ説明していきます。
意識してほしい「自分の生体リズム」
さっき「生体リズムは気にすんな」って言うたやんけ!
という声が聞こえてきましたが、それはあくまでも「一般的な7時間睡眠のリズムを気にするな」ということです。
たとえば
「7時間以上寝ないと睡眠不足で・・・」
「起きてから15時間後に寝るのが理想で・・・」
というものです。
それに合わせる必要はなくて、自分のリズムだけ守ってくださいということです。
そのためには「起きる時間を固定する」
これを意識してください。
できれば寝る時間も固定して、毎日の睡眠時間に大きなブレがないようにしてください。
詳細は以下の記事にまとめています。
参考記事はコチラ!
意識してほしい「眠気の予防」
「生体リズムを気にすんな」といえど本能的な眠気に抗うのは、正しい知識がないと難しいです。
「概日リズム」のメラトニン
「Sプロセス」のアデノシン
これらは眠気を誘う効果があります。
それぞれの対処法は以下の通りです。
メラトニンの対処法
日中であれば、外に出ておひさまの光を浴びるのが一番ですが、眠くなるのは夜ですよね。
その場合は携帯のライト機能を使い、目をつぶった瞼の上から5秒間光を照射して、メラトニンの増加を抑制するという方法があります。
あとは、コンビニで立ち読みするのも効果的ですね。
コンビニの照明は1000ルクス近いのでメラトニンの抑制に効果的です。
あくまでお店に迷惑が掛からないように!
アデノシンの対処法
アデノシンは入眠時に分解されるので、「カフェナップ」を取れば解決です!
シンプルですね!
意識しなくていい「スマホのブルーライト」
ここからは意識しなくてよい情報です。
まずはPC・スマホが発する光、ブルーライトですね。
これが生体リズムを崩すというのがなぜか常識化していますが真っ赤な嘘です。
米メイヨ・クリニック精神科のルイ・クラーン医師はスマホの光がメラトニンの分泌に影響するかを実験したのですが、それによると暗い部屋でのスマホの光は30ルクス以下程度しかないので、メラトニンの分泌に影響を及ぼしません。
つまり、概日リズムを狂わすほどの影響はないというわけです。
もしスマホが太陽光レベルの光を発するならば生体リズムはボロボロに崩れますが、その前に失明します。
「寝る前3時間はスマホを触らないように!」なんていってますが、現代人にとってはそれこそがストレスの種となります。
そもそも短熟睡の理念として「夜更かし・長起きガンガンやっちゃえ」というのがあるので、「スマホいじって眠れなくなる」ということは問題ですらないです。
トリプトファンの摂取
生体リズムについて少し勉強をされたなら
「トリプトファンの摂取がメラトニンとセロトニンを分泌させて生体リズムが整う」
「不眠症やうつ病に効果がある」
という情報にたどり着くかと思います。
しかーし、このトリプトファンの摂取にもほとんど意味はありません。
確かにトリプトファンからセロトニンに変化し、セロトニンがメラトニンに変わると言う状態変化を起こします。
起こすのですが、トリプトファンとセロトニンは食べ物から摂取しても、「血液脳関門(けつえきのうかんもん)」と言う機能によって、脳内にまで運ぶことができません。
脳内で発生したセロトニンは幸福作用や抗不安作用がありますが、腸で生成された場合には、不必要に腸の動きが活発になり、下痢を発生させる要因になるだけです。
コラーゲンを経口摂取しても意味がないのも同じ理屈ですね。
まとめ
生体リズムに関していろいろお伝えしてきましたがまとめると以下の3つです。
①生体リズムには二つ種類がある
・時間帯によってメラトニンの分泌が変わる針時計方式の「概日リズム」
・覚醒時間によってアデノシンの蓄積が変わる砂時計方式の「Sプロセス」
②ホメオスタシスという恒常性維持機能によって、短眠生活が当たり前になったショートスリーパーは
「常識的な生体リズム」を気にする必要がなくなる
③気にするべきこと・しなくていいことを区別して間違った情報に流されないこと
以上です!
正しい知識を身に付けて、ゆっくり確実に短熟睡を習得していきましょう!