あなたは眠っている最中になぜ夢を見るのか、知っていますか?
「記憶の整理のため!」
「占いのため!」
「見たいから!」
パターンはあるものの人によって理由はバラバラだと思います。
睡眠研究と脳科学の権威である井上昌次郎氏も夢をなぜ見るのか、夢は何のためにあるのかという哲学的な問いに対して
『「よくわかりません」と答えるほかありません』とコメントしています。
睡眠を取り扱うものとして「夢」は避けて通れないテーマではありますが、結論を先に述べると「夢を見る理由」を僕が特定することはできません。
あくまでも推論であり、個人的な見解を超えないからです。
ただ、わかっていることも少なからず存在しています。
今回は夢のメカニズムについて、確定情報とファンタジーを交えてお話ししていきましょう!
目次
夢を見るタイミング
まずは、夢のメカニズムの中でも、わかっている情報をお伝えしていきます。
それは「いつ夢を見ているか?」というタイミングの話です。
「起きたときに覚えている夢」は、寝ている間に見た夢のピックアップではありません。「目が覚める直前に見ていた夢」です。
レム睡眠の時に目が覚めるタイミングが多いので、「夢はレム睡眠の時に見る」というのが常識とされている時代もありました。
しかし、研究を重ねることで「夢を見るのはレム睡眠の時だけではない」ことがわかりました。
深いノンレム睡眠の時に起こしても、寝ていた人がその直前に見ていた夢の内容覚えていたことから、ノンレム睡眠時にも夢を見ることがわかっています。
夢の性質
そして、わかっている情報として、もう一つあるのが「夢の性質」です
レム睡眠の時の夢とノンレム睡眠の時の夢では性質が異なります。
レム睡眠時の夢はストーリー性があり実経験に近い夢で、逆にノンレム睡眠は抽象的かつ複雑で辻褄が合わないものが多いです。
このことから起きた直後に抽象的でよく分からない夢を思い出した時はノンレム睡眠の最中に目を覚ましたと判断することができます。
夢を見る理由
次は夢を見る理由について、いろいろな説を紹介していきます。
夢を見る理由の5つの説
①「夢は情報を忘れるためにある」説
1983年のフランシス・クリックによって提唱された説
起きている最中に脳に取り込まれた膨大な情報を全て記憶していると、いらない情報に溢れてしまうため、不必要な情報を積極的に捨てると言う説です。
②「夢は情報を覚えるためにある」説
1985年のジョナサン・ウィルソンによって提唱された説
重要な情報を夢という形で再生することで脳内に記憶させると言う説。
③「情報を捨てるためでも覚えるためでもない」説
1977年のアラン・ホブソン、ロバート・マッカリーによって提唱された説。
今までに経験のないことも夢で見ることから、自分の深層心理から生み出した架空の経験を再生しているだけという説。
④「模擬テストのため」説
1978年のミシェル・ジェヴェーによって提唱された説。
起きている間にするべき行動がシミュレーションとして脳で試される、という説です。
生まれたばかりの脳が急成長する時期にレム睡眠が多いことから関連付けられています。
⑤「連想ストーリー」説
1988年の大熊輝雄氏によって提唱された説。
レム睡眠の急速眼球運動のたびに新しい視覚映像が出現しそれらが次々と連想されて構成されるという説。
夢を見る理由は「定義付け」されていない
この5つの説が有力とされています。
他にも有力なのが「起きる直前の準備運動説」というのもあります。
レム睡眠時にはっきりとしたストーリー性のある夢を見ることで、交感神経を優位にし、起床時に覚醒状態にすぐに持っていきやすいようにする機能を持たせているというものです。
まぁノンレム睡眠でも起床することもあり、コレも確定とは言えません。
これ!という訳ではなく、コレとコレ!という可能性もありますし、全部当てはまる可能性もあります。
ただ現状は「定説」があるだけで、「定義」として確定するには分からないことだらけなのが現実です。
ここからは僕個人としての意見
今までは「コレまでの研究結果からわかったこと」、「通説となっている内容」について淡々とお伝えしていましたが、ここからは僕個人の見解や経験に即してお話ししていきます!
ファンタジーの部分ですね笑
「夢を見た時は眠りが浅い」はほんま!?
こういう活動をしていると「最近よく夢を見るからあまり熟睡できていない」という相談をよく受けます。
多くの人は、「熟睡できた時ほど夢を見ないものだ」と考えている場合が多いです。
ですが、先ほどお伝えしたように人間はだれでも夢を見ており、レム睡眠の時もノンレム睡眠の時にも夢を見ています。
ノンレム睡眠の時に見ている夢は、起きた時に思い出しにくいので
「夢を見た」と認識した時は、夢を見たことを覚えている、つまり「レム睡眠時に起きれている」証拠です。
一般的には「レム睡眠時に起きた方が起床がしやすい」ものであり、僕もまぁそうだと思います。
つまり、熟睡かそうでないかに関わらず、起床はしやすかったのではないかと思います。
夢を見るメカニズムがはっきりとしていないので、
「夢を見たから熟睡できていない」とか
「悪夢を見たから疲労回復できていない」という思い込みを信じすぎるのは損でしかないです。
都合よく「いい夢見たーー!」くらいで軽くポジティブに捉えておけば問題ないのではないかと思います。
「記憶の整理のため」ではないんちゃうか・・・?
お伝えしたように「記録した情報の整理をしている」という説もありますが、それが正しいならば、夢の内容は今まで経験したことばかりになると思います。
実際にはそうではなく、「なんで俺がこんな人と遊んでるん??」と言うような内容の意味を見たり
今までに全く経験のない体験をしたと言う夢もあると思います。
それが「予知夢」のように未来に起こることかは全くわかりませんが、少なくとも今までの経験を整理していると言うことには当てはまりません。
夢ってほとんどがチグハグデタラメなんで、夢の通りに整理していたら記憶もグチャグチャになると思います。
そういう点からも「記憶の整理説」は薄いんちゃうかなぁと思ってます。
悪夢は睡眠の質が低いサイン!?
悪夢自体に害は無いのですが、悪夢の原因が心のストレスから来る場合は、そのストレスによって睡眠の質が低下している可能性があるので
「悪夢ばっかり見ている」と言うのは1つの危険信号と捉えても良いかもしれません。
金縛りは怪奇現象!?
「金縛り」がしばしば霊的なものと繋げられますが、
メカニズムはなんてことなくて「頭だけが起きて、体は寝ている状況」に金縛りが起こります。
つまり「脳が覚醒状態に近く、体が静止状態にあるレム睡眠の時に起こる」と言うことです。
眠っている最中に脳だけ覚醒する原因は複雑に絡み合っているので特定するのは困難ですが、「体の深い疲労」が大きいとは思っています。
僕も学生時代は、部活や勉強で疲れ果てた時によく金縛りにあっていました。
ちなみに金縛りの状態に会うと普通は心が不安になり怖い想像してしまうことで実際に幽霊のようなものを具体化させてしまいがちです。
「霊の仕業で金縛りが起きている」のではなく
「金縛りが起きた時の驚きや恐怖が霊を生み出している」のです。
しかし、それを逆手にとって、金縛り中にセクシーな想像をするとセクシーな金縛りに会うこともできます。笑
僕も金縛りをよく経験していた頃、なんとかポジティブなものにするようにセクシーの想像をするようにしていたのですが、思い通り結構ムフフな金縛りになった経験があります。
もし金縛りにあった際は、なるべく楽しいことや自分にとって都合の良いことを想像するようにしてください。
めちゃくちゃリアルな夢って感じで楽しめるはずです笑
僕が思う「夢を見る理由」
ここまでの話をまとめると、僕が思う夢を見る理由は、先ほど挙げた5つの説のうち
①の「情報を忘れるためにある説」
もしくは
③の「忘れるためでも覚えるためでもない説」
のどっちかかなと思っています。
冷静に考えてみれば「一生懸命勉強したことを一番覚えてるタイミングは勉強してすぐ」のはずです
そうなのですよ、どんだけ一生懸命勉強しても一晩寝て次の日には何割かしか覚えてないですもん。
いくら、「睡眠が記憶の整理や定着に効果がある!」と言葉でいわれても、実際にそれを実感した経験はほとんどないのではないでしょうか。
記憶の定着は勉強を繰り返すことでしか効果はありません。
そのため睡眠の役割としては、「必要のない情報を捨てることにある」と思っています、
その時のノイズが夢という映像で再生されるのかなと想像します。
大掃除の時に卒業アルバムを見つけて、当時の思い出を振り返るみたいな
そんなイメージだと思ってます、笑
まとめ
今回の記事は珍しく、「〇〇は〇〇だ!」という言い切りスタイルのものではありませんでした。
最終的に僕がお話ししたような、個人的な見解ばかりが集まっているだけで、学者全員が納得するような「定義」にまで昇華できていないのが「夢」の実態です
でも夢に関してはそれでいいんじゃないかなと思ってます
みんなが謎を追い求めるけどもなかなか姿が見えてこない
コレこそまさに「夢がある」ってもんです
おあとよろしいんちゃいまっかのぅ?