読者さんからのご質問で
「ショートスリーパーは遺伝で決まるのでしょうか」
「司馬さんだからできたんじゃないでしょうか」
と内容のものを多くいただきます。
もっとラフな関係な人からは
「無理して体壊すなよ」
なんてことも。
口頭で簡単に説明すると「言い訳」みたいに聞こえるので、「これ読んで!」と渡すように記事にしてみました(笑)
というわけで今回は、短時間睡眠が遺伝子にかかわらず習得できるということを説明していきます!
自分の可能性に蓋をしていたあなた!これを読んで希望を取り戻してください!
目次
短眠に遺伝子は関係ない
「ショートスリーパー 遺伝子」で検索すると
「短時間睡眠が可能な人間は遺伝子で元々決まっていて、ほんの一握りの人間しか習得できないんだ!」
なんて勢いで記事が書かれていることがほとんどです。
しかし、結論を先にお伝えすると「遺伝子構造」と「睡眠時間」はほとんど関係性がありません。
ましてや、生まれた瞬間、「短眠者」か「長眠者」か決められるなんてことはありません。
なぜ「遺伝子に関係がない」と言えるか
なぜ「睡眠時間と遺伝子に関係がない」と断定できるか。
一言でいえば、確定情報が無いからです。
たとえば、
- ショートスリーパーにしかない遺伝子配列
- ロングスリーパーにない遺伝子配列
それぞれが発見されて、
実際に短時間睡眠を習慣にしている人の遺伝子構造と一致したり、
ロングスリーパーの遺伝子構造と一致したりという「研究結果」が存在しないからです。
そうした確定情報もないままに
「(たぶん)睡眠時間は遺伝子で決まる!(と思っている)」
と言っているだけなのです。
いわば、「とんでもないウソをついている」だけなのです。
流石にえげつないですよね。
正直、そんな遺伝子構造が発見されたところでそれも正しいものと断定できないと思います。
睡眠時間を決めるのは「遺伝子」ではなく、単純な「〇〇」だからです。
(〇〇はこの記事の後半で!)
「短眠遺伝子発見」の研究のからくり
「短眠遺伝子」が見つかったという実験結果もありますが、中身はかなりお粗末なものです。
分かりやすく解説していきます。
どんな実験か
2009年にカリフォルニア大学で行われた研究で、「夜間に床についても翌朝4時に目が覚めてしまう」という女性とその家族を対象とした、遺伝子配列の比較実験が実施されました。
実験の結果、その女性の体内で「DEC2」という遺伝子が突然変異を起こしていることを発見し、他の家族にはそれが無かった、というものです。
この「DEC2」という遺伝子が「短眠」を可能にしている、と結論付けているのです。
あなたはこの実験のツッコミどころが分かりますか?笑
以下、答え合わせです。
ツッコミどころ ①被験者が「ショートスリーパー」ではなく「睡眠障害持ち」
被験者の女性は「夜間に床についても翌朝4時に目が覚めてしまう」という症状を持っています。
これはショートスリーパーではなく「中途覚醒」という睡眠障害を持っているだけです。
ショートスリーパーの定義は「睡眠時間をコントロールした上で、睡眠時間を抑えている人」です。
つまり、ショートスリーパーは「寝れない」のではなく「寝ない」だけです。
というわけで、そもそも被験者の選定から間違えています。
この時点でこの研究に意味はありませーん。
でもツッコミどころはまだあるのでどんどん掘り下げます。
ツッコミどころ② 実験対象が少なすぎる
世の中のショートスリーパー全員が「DEC2」という遺伝子に異常があるなら納得できますが
対象が一人て!
「普通の人にDEC2がない!」というデータもその女性の家族のみです。
家族て!!
もしかしたら「DEC2」は、常人よりお腹が減りやすい遺伝子かもしれないんですよ。
こんな少ない母体で、この遺伝子が睡眠時間に影響を与えると断定できるわけありません!
ツッコミどころ③ 遺伝子の突然変異のタイミング
「DEC2」という遺伝子が突然変異したタイミングと、ショートスリーパーになったタイミング(まぁ実態は睡眠障害ですが)が一致したという観測もされていません。
その遺伝子が睡眠時間を短くしているならば、その遺伝子が通常に治ったと同時に睡眠時間も伸びるはずです。
そこまでの結果をもって、やっと第一歩って感じなのですが、その観点もありません。
この実験のまとめ
細かく言うともっとツッコミどころはありますが、紙面の都合上割愛します。。。
カリフォルニア大学という名門大ですら、このレベルの適当な研究をしています。
まぁ、睡眠に関して興味の薄い一般の人の目を欺くには充分ですが、私の目はごまかせませんよと。
「俺でなきゃ見逃しちゃうね。」って感じですね。
「遺伝子」で片づける行為は、努力したものを愚弄する行為
個人の経験で語るならば、私も元々は9時間以上眠るロングスリーパーでした。
しかし、今では睡眠時間が1時間台のショートスリーパーです。
では、私の遺伝子がなんらかの原因によって突然変異を起こしたのか。
NO!
こういうしょうもない「睡眠の常識」を暴いていって、正しいアプローチで短眠法を習得したからです。
「筋肉が付きやすい体」もない!
睡眠時間だけでなく、筋肉がつきやすい体、つきにくい体なんて話もありますが、そんなことをいうのは本気で鍛えたことのない研究者か、トレーニングをサボる言い訳をしたい怠け者だけです。
もともと虚弱体質だった人が、トレーニングや食事を工夫して試行錯誤した結果、強靭な肉体を手に入れた事例なんてなんぼでもあります。
そうやって必死に頑張った人ならば「筋肉は遺伝子で決まる」なんてこと言うはずありません。
「太りやすい体質」という言葉を使う人は「本気で減量していないだけ」
「もともと頭が悪い」と言う言葉を使う人は「本気で勉強していないだけ」
人は誰でも努力と工夫次第で目標をつかむことが出来ます。
「遺伝子」とか「身体の構造」とか「才能」とかで片づけるのは、
努力して成功した人間を馬鹿にする行為だということを理解しておいてください。
何が睡眠時間を決めるのか
遺伝子が睡眠時間を決めるのではないなら、なにが睡眠時間を決めるのか。
それは「環境」です。
- 国
- 文化
- 宗教
- 経済状況
- 家庭環境
- 職業
- 業務内容
- 就業場所 などなど
身を置く環境が違えば、睡眠時間が変わります。
こっちのほうが、あなたも経験があって馴染み深いのではないでしょうか。
「遺伝子」ではなく「環境」の分かりやすい話
睡眠時間は「遺伝子」ではなく「環境」で変化するというのを分かりやすくお話します。
例えば、遺伝子構造が非常に似ている「双子の兄弟」を例にすると、
兄:ニート
弟:某外資系IT企業のエリートサラリーマン
二人は双子で非常に似通った遺伝子構造を持ちますが、2人の睡眠時間は一緒になるでしょうか。
そうですよね、兄(ニート)は睡眠時間が長く、弟(エリート)は睡眠時間が短くなるはずです。
では、睡眠時間が長いおニーちゃんが「健康」で、弟(エリート)の方が「不健康」か。
そんなこともありませんね、100%ではないですが、
ニートの方が「不健康」で、エリートサラリーマンの方が「エネルギッシュ」なのはイメージできるかと思います!
これこそが、「遺伝子」と「睡眠時間」に相関性がないといえる根拠です(どや)
まとめ
「睡眠時間と遺伝子に相関関係がある」という情報を見ていると
「根拠どこにあるねんコレ、、、え、俺だけ見えていないナンカがあるん!?」
と毎度なってしまいます。
文中でも説明した通り、カルフォルニア大学ですらこのレベルのツッコミどころ満載の実験がされています。
ましてや、睡眠医薬品業界と寝具業界と「とても仲の良い」日本の睡眠研究では、
事実とねじ曲がった研究データが先行しており、そうした中身のない説が「睡眠の常識」を作りだしています。
とはいえ、全部が全部そうではなく正しい形の実験があるのももちろんです!
もし、気になる実験があれば、ぜひ私に聞いてみてくださいね(^^)/!