2018年10月ごろ、都内のとあるIT会社が、日本初の「睡眠報酬制度」を導入すると発表しました。
スマートフォンのアプリで社員の睡眠時間を計測し、1週間のうち6時間を超える睡眠をとった日が5日間以上あれば報酬を与えるというもので、マットレスを販売する企業がタイアップしているとのことです。
一般の人からすれば、「社員の健康を考えたホワイト企業」に映るかもしれません。
しかし、短眠ラボをいつもご愛読くださっているあなたならば、これがどういう施策になるか少しイメージできるのではないでしょうか。
今回はこの社内制度をテーマに、私なりの考えをお伝えできればと思います
目次
「長時間睡眠=健康的」という風潮
「IT企業に務めるクリエイティブ職の人間は、時間に縛られるスタイルを嫌い、ノートPCやスマートフォンがあればどこでも仕事が出来るので、家に仕事を持ち帰る傾向にある。
そのため、「労働環境」ではなく「健康環境」をコントロールする必要があった。」
この企業が「睡眠報酬制度」を導入した背景は、こうした社長の想いがあったからだそうです。
私もかつて、「NTTデータ(SIer業界)」、「サイバーエージェント(Web業界)」という企業に勤めていた経験があり、「無理しがちな社員」をたくさん見えきました。
これはそんな「無理しがちの社員」の健康を気遣っての施策なのですが、このブログでお伝えしているような「間違った睡眠の常識」のせいで、社員の生活の質を低下させるような真逆の効果を誘うことを非常にもったいなく思います。
長時間睡眠のデメリット
ここで、このブログでお話ししてきた長時間睡眠のデメリットについておさらいしてみましょう。
長時間睡眠のデメリット
- 自由時間の激減
- 眠気の増長
- 病気リスクの増加
- 運動習慣の欠如
- 疲労の増大
- パフォーマンスの低下 などなど
こういったことが挙げられます。
一部抜粋してみたので詳細は以下の記事をご覧ください。
長時間睡眠のメリット
デメリットばかり上げるのも卑怯なのでメリットをあげておきます。
長時間睡眠のメリット
「長時間睡眠が正しい」と信じていればプラセボ効果でストレス解消を期待できる
え!?
はい!以上です!
実際に導入後の社員アンケートで「パフォーマンスの向上が感じられた」という回答が多かったそうですが、
「寝れば回復する」というプラセボ効果と、「寝るだけでお金がもらえる」ならば、「いいね!」するのも必然かと思います・・・
「睡眠報酬制度」がもたらす効果とは
世の中に溢れる間違った「睡眠の常識」に振り回され、正しい睡眠のメカニズムを理解していないばっかりに、
「大切な会社の資源である社員の人生の質を下げ」
「パフォーマンスを著しく低下させ」
「その行為にコストを掛けてしまう」
こんな三重苦の施策をしてしまっているわけです。
対外的には「社員を大切にする健康的な企業」というイメージを与えることが出来ると思いますが、費用対効果としてはよろしくないかと個人的には思います。
マットレス企業の存在
この制度のバックにマットレス企業が付いているのも個人的には気になるところです。
バックのマットレス企業がこの「睡眠報酬金」をサポートしてらしいのですが、
この制度には「社員が希望すれば特別価格でマットレスが購入できる」というオプションが存在します。
マットレス企業からすれば「マットレスが売れれば報酬金なんて安いもん」という訳ですね。
このように、「寝てもらうことがお金になる企業」が、「もっと寝るべきですよ」と間違った「睡眠の常識」を助長していることは、こういう活動をする私としてはむず痒いものです。
もしも「短時間睡眠報酬制度」ならば・・・?
もしも、この施策が
「3時間以下の睡眠を週に5日以上取れば報酬金が出る」
というものならば得られる結果は180度変わると思いませんか?
短時間睡眠のメリット
このブログでお話ししてきた長時間睡眠のデメリットについておさらいしてみましょう。
短時間睡眠のメリット
- 自由時間の激増
- 眠気の抑制
- 病気リスクの低下
- 運動習慣の構築
- 効率的な疲労軽減
- パフォーマンスの向上 などなど
一部抜粋してみたので詳細は以下の記事をご覧ください。
■短時間睡眠のデメリット
もちろん短時間睡眠にもデメリットはあります!
短時間睡眠のデメリット
睡眠のメカニズムを知らない人から「死ぬなよ」と心配される
以上です!
めちゃくちゃ言われますが、その場で「寿命が〜」「成長ホルモンが〜」と話しても、気色悪いだけなので
「ありがとう^ ^」と微笑むだけにしています。。。
「短熟睡報酬制度」を推薦する
もし「短熟睡報酬制度」が存在すれば、能動的に眠りをコントロールし、超人に近いパフォーマンスの社員がボコボコと生まれる制度になります。
「そんなことしたらパワハラで訴えられるわ!」
ですって!?
もちろん強制ではなく、報酬金を得るための希望制なので問題ありません。
希望する社員には「短眠ラボ」からの特別コンサルを施し、納得感を持った上で短時間睡眠を実践してもらいます!
その制度に前向きな社員が一人でも登場すれば、
もしくは社長自らが社内の広告塔となり、短熟睡のメリットが注目されまくるわけです。
社内に広がる「短熟睡ムーブメント」
「短熟睡報酬制度」は、1人目の先駆者を見て、2人目の追随者が現れ、
・・4人、5人となれば「短眠集団」として一目を置かれ、そうなれば後は勝手に希望者の列が完成するわけです。
- 短眠から生まれる年間+2ヶ月の自由時間
- 圧倒的なパフォーマンス
- 健康優良ボディ
それらを会社のお金で手にして、さらに報酬金GET・・・ッ!!
優秀であればあるほど「こんないい会社他にない!」と、ロイヤリティが向上するのは自然な流れではないでしょうか。
言わずもがな、会社としては、「パフォーマンスを発揮する社員」にコストを投入するべきです。
「会社から寝ろって言われたので沢山寝てきました。まだ寝足りないです。ふぁ~。。。」
なんて惰眠をむさぼる社員を、会社のお金で増やし続ける破綻的な行為はあってはならないわけです。
まとめ
今回もまた各所に敵を作ってしまいそうな内容ではありましたが、私はこの制度を導入した企業を批判するつもりはありません。
彼らはむしろ被害者であると言えます。
批判するべきは、「間違った睡眠の常識」ならびに、理解のないまま間違った情報を垂れ流しつける発信者だと考えています。
・・・とは言え、どういった情報信じるかそれはヒトそれぞれなので
この会社で「満足度が高い」としているならばそれで問題ないかと思います。
この記事を読んだあなたも、この制度について同僚や友人の方と話し合ってみてはいかがでしょうか。
面白い意見があればこちらにコメントしてみてください(^^)