SNS経由で、短眠について疑問を感じている読者さんからご質問をいただきました。
熱い質問だったので、僕も熱くなって回答してたら
文字数が3,000文字を超えてて、短眠ラボの記事の平均文字数2200を大きく上回ってしまいました。笑
どえらいボリューム、かつ、せっかくのガチンコQ&Aなんでもったいないと思い、そのまま記事にしてみました!
誰や!手抜き言うたん!!
目次
読者さんからのご質問
睡眠に関心のある男性
そもそもショートスリーパー、ロングスリーパーと言うのは遺伝で決まる要素が大きいと言うのが私の認識ですが、その辺はどう思いますか?
ほとんどの人がその中間に位置すると思うのですが、そこに該当する人に対して、睡眠時間を長くした場合、短くした場合でのパフォーマンス比較や、健康被害などの比較実験等は発表されていたりするのでしょうか?
短眠を推薦している方の著書を読んでいるのですが、「睡眠そのものが悪」「睡眠を取らないで活動し続けた方が疲労が取れる」とかも書いてあって、正直いたるところでツッコミどころがあってどうしたものかと。
(プライバシーを考慮して一部修正)
こんな質問をいただきました!
疑問を持った熱い質問、、!
ありがたいですねぇ、!!
答え甲斐がありますあります。
以降は私の回答に見出しを付ける形で公開していきます!
「遺伝子」は「睡眠時間」に影響ありません!
Q.「そもそもショートスリーパー、ロングスリーパーと言うのは遺伝で決まる要素が大きいと言うのが私の認識ですが、その辺はどう思いますか?」
A.私個人としては遺伝子が睡眠時間を決めている割合はめちゃくちゃ少ないと思っています。
(実際ほとんど関係ないレベル)
というのも「遺伝子が睡眠時間を決定付けている動かぬ証拠」
つまり、医学的な根拠をまとめたレポートが見当たらないのです。
A:ショートスリーパーになる遺伝子構造
B:ロングスリーパーになる遺伝子構造
それらが「コレ!」と特定できていない以上、「遺伝子が睡眠時間を左右する」とは断定できません。
「遺伝子関係ある説」について
睡眠学者の中には「なんとなく遺伝子のせいなんやろ?」と主張している人もいますが、
どの情報を見ても、「この遺伝子が睡眠時間を決めている」と定義付けておらず、
「短時間睡眠は一部の遺伝子を持つ人しかできません」という主張で終わっています。
スタンフォード大学の睡眠研究所は、一応世界でトップの睡眠研究機関なのですが
そこの所長である西野精治さんが書いた本「スタンフォード式 最高の睡眠」でも、
そんな感じで漠然と終わっています。
「睡眠時間」を決めるのは「遺伝子」ではなく「環境」
僕としては睡眠時間を決める要因は「遺伝子」が1やとしたら「環境」が99やとおもっています(まさかの百分率)
分かりやすい例として、遺伝子構造が超似てる双子の兄弟で例えます。
兄はスーパーエリートの短時間睡眠
弟はスーパーニートの長時間睡眠
どちらの方がパフォーマンスを発揮しているかは明確ですよね!
普段7時間睡眠をしている自衛隊員も有事になれば睡眠時間2時間で、最大限のパフォーマンスを発揮します。
逆に超絶ブラック企業で強制的に毎日4時間睡眠だった人が、大天使ホワイト企業に転職すれば
一般的な睡眠時間の7時間に移ると思います。
(パフォーマンスについてはどうなるかは分かりませんが)
強制的に睡眠時間を「削る」状況なら不具合が起きる
確かに「睡眠に関する知識を付けないまま環境で無理やり短眠になった」ならば
「睡眠不足」になっているというプラセボ効果でパフォーマンスは低下すると思います。
実際僕も以前はそうでした。
でも、逆に「睡眠に関する知識を付けて、過眠は身体に悪影響をおよぼす」と理解した上で睡眠時間を抑えると、脳と体のパフォーマンスは以前よりも向上していると実感しています。
もちろん僕以外のショートスリーパーも短時間睡眠を続けているのはコレが理由です。
(これにも一定のプラセボ効果があることは否定できませんが)
「睡眠時間」と「遺伝子」については記事を書いているのでよければご覧ください!
参考記事はコチラ!
パフォーマンスはどう変化する?
Q.「睡眠時間を長くした場合、短くした場合でのパフォーマンス比較や、健康被害などの比較実験等は発表されていたりするのでしょうか?」
A.あるにはあります!
たとえば山口大学の「短時間睡眠が運動パフォーマンスおよび体温リズムに及ぼす影響」とかは、
7時間睡眠と4時間睡眠で体力テストの比較をしています。
いくつかのテストの結果は多少変化したものの、おおむね変わらなかったそうです。
まぁこんなテストは探せば結構あって、その結果がどうのというよりもテストの条件に物申したいと思ってます。
短時間睡眠による実験の条件は全く整っていない
こういう実験ってほぼ100%「いつも7時間睡眠の人の睡眠時間を無理やり削ってテストしている」んです。
被験者としては「普段より寝てない」と認識している上でテストするんで、ストレスやプラセボ効果によるパフォーマンスの低下があるのは当たり前です。
本当に「睡眠時間」の違いを比較するならば
本当に比較するなら、7時間睡眠のバリュアブルスリーパーと4時間睡眠のショートスリーパーを比較するべきなのですが、同じ人間でないので正確なテストをすることができないわけです。
もっといえば、元々長時間睡眠で後天的に短時間睡眠になった僕みたいな人間を使って、テストするとちょっとはマシな結果になるかもしれません。
(それでも2つのテストの間に数か月の期間を要するので正確な値は出ませんが)
こうした背景もあって「睡眠時間」によるパフォーマンスの比較は難しいわけです。
ただ、ロングスリーパーで活躍している人はミハエル・シューマッハ、白鵬、アインシュタインくらいしか知りませんが、(全部wikiからですが)
ショートスリーパーで活躍している人が山盛りいるのは、一つの判断材料かもしれませんね。
短眠に対する誤解
Q.「短眠を推薦している方の著書を読んでいるのですが、『睡眠そのものが悪』『睡眠を取らないで活動し続けた方が疲労が取れる』とかも書いてあって、正直いたるところでツッコミどころがあってどうしたものかと。」
A.その著者さんを知っていたので少しフォローしてみます
その著者さんは、物事をはっきりモノ申す方だったので、そう思われるのも無理はありませんが、
質問者さんの方で勘違いをされていたのでフォローをしておきました。
①「睡眠そのものが悪」はちょっと勘違い
その著者さんは、著書の中で「睡眠は重要である」と明確に発言されていて、本人も寝ることを重要視しています。
悪いのは「長時間睡眠」
もっと言えば「明確な根拠のないままに短時間睡眠を否定して、7時間睡眠を助長する人たち」
というような主張をしています。
僕を含め短眠を推薦する人たちの中でも「睡眠そのものが悪だ!」と主張している人はほとんどいないんじゃないかと思います。
②「睡眠を取らないで活動し続けたほうが疲労が取れる」これも誤解です
質問者さんの言う「睡眠を取らないで活動し続ける」というのは「短眠」ではなく「断眠」です。
「小食」と「断食」が違うように
「短眠」と「断眠」は全く異なります。
その著者さんも「短眠」を薦めてはいるものの「断眠」を推してはいません。
断眠で不具合が出るのは事実です。
ただ、最低限寝れば、日中の活動でも疲労回復はできるのも事実です。
睡眠の疲労回復については短眠ラボでも説明させてもらってます。
参考記事はコチラ!
以上です!
すいません長くなって、、、、
・・・・・という風に回答しました。
一部記事用に表現は変えましたが、ほぼ原文ままです。
長い。(笑)
まとめ
こんな感じのやり取りを読者さんとやっています。
コメントやお問い合わせページから質問をいただければ、しっかりと回答させてもらいます。
「実際どうなの?」「こんなデータあるけどどう思う?」なんて痛いところを突いてくる質問も大歓迎です!
むしろ、そういう質問の方が「なるほど、こんな見方もあるねんな」と勉強させてもらえます!
「日本で一番丁寧な睡眠トレーナー」を目指しているので、バシバシ鍛えてやってください!