この記事の中で7時間以上の長時間睡眠では
「起きるのが辛くなる」
「二度寝が癖になってしまう」
というような目に見えるようなわかりやすいデメリットを説明してきました。
そして、終わりのほうに軽く説明した、体の変化による睡眠時のリスクも付け加えています。
今回は睡眠中に起こる身体の変化をまとめてみました。
寝ている間に体がどういう状態になるか、そしてそれが健康にいかに悪影響及ぼすかというところを想像してしっかりと理解していきましょう!!
睡眠中に起こる体の変化
睡眠中は、副交感神経が優位になり、体の活動を抑えるようになります。
起きてる間必要となる動きを抑圧していくのですが、それはどういったものなのかを以下の通りまとめてみました!
体温低下
人は眠ろうとする30分前から体温を下げ始め、熟睡中に最も体温を低下させます。
身体と脳の温度を活動時よりも下げ、眠りやすい状態を作るためです。
平均して約1度ほど体温が低下するのですが、ノンレム睡眠時はもっとも体温が低いタイミングとなっています!
この話をすると「寝汗をかくのは体温が高いからでは?」という風に誤解されることも多いのですが、
そもそも発汗とは「身体の体温を下げるための反応」です。
確かに「体温が高いから寝汗をかく」のは間違いないのですが、そのあとに必ず体温は低下していきます。
眠りやすくするために、身体と脳の温度を下げていくのですが、その熱が汗となって放出されていくのですね。
なので、実はあまり意識されていないと思いますが、寝汗は寝始めに一気に出てくるということなのです。
免疫力の低下
体温と免疫力は密接に関係しています。
風邪を引いたときに発熱をするのは、体温を上げて免疫を活性化させ、ウイルスへの攻撃力を高めているからです!
ウイルスに感染すると、免疫を活性化させるために、脳から身体に発熱するように指令が出されます。
睡眠時の体温が低い状態というのは、免疫力が最低の状態であるということなのです。
体温が1度下がると、免疫力は40%近く低下します!
ちなみに体温は高いのに悪寒がするのはなぜかご存知でしょうか。
あの震えは寒さが原因ではなく、筋肉を震えさせて熱を発生させているからなのです!
代謝低下
体温が下がるということは、身体の代謝も低下しているということです。
汗を出し切って、すっかり「就寝モード」に入った身体は、上げる必要のなくなった代謝をどんどん下げていきます。
体温が1度下がると代謝量は約20%低下していきます。
基礎代謝量や新陳代謝が落ちると、影響があるのは肌の健康です。
肌の生まれ変わりであるターンオーバーと言う仕組みは、代謝量と比例しているため、起きている時よりも激減してしまいます。
水分量低下
睡眠中に寝汗をかいたり、呼吸から水分が蒸発したりすると、500mlから1000ml以上の水分が体から抜けていきます。
人間の体重の約60%が水分ですから、体重60キロの成人男性の場合、1000mlの水分は
全体の約2.8%にも及びます。
水分量の低下による体への影響はおおむね以下の通りです。
水分減少率 | 脱水による主な症状 |
---|---|
2% | のどが乾く |
3% | のどの強い渇き、頭がぼんやりする、食欲がなくなる |
4% | 精神が安定しなくなる、体温が上昇する、疲労困ぱい、尿量の減少と濃縮 |
5% | ひどい頭痛、発熱 |
8~10% | けいれん症状、体の震え |
20%以上 | 無尿、死亡 |
起きている最中ならば、すぐに水分補給をすることができますが
睡眠中はそうもいかないので、危険な脱水症状が1日の3分の1の時間継続されることになります。
まとめ
まずは、体に起こる変化の前編をごらんいただきました。
眠っている最中は、体や行動のコントロールができません。
唯一コントロールできるのは「睡眠時間」です。
後編もご覧になって、これからの睡眠習慣を検討するきっかけとしましょう!